2020/03/28
★エリア:剱岳源次郎尾根Ⅰ峰平蔵谷側上部フェース
★日程:剱合宿期間中,2019年8月11日
★メンバー:左右田(文責),千村
★コースタイム:03:00剱沢野営場→03:40源次郎尾根取付き→04:40コル04:55→05:40成城大取付き→0835トップアウト(源次郎Ⅰ峰ピーク)09:15→10:55源次郎取付き11:00→12:00剱沢野営場
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剱岳源次郎尾根Ⅰ峰平蔵谷側上部フェースは剱沢からダイアモンド状に見える岸壁である.その中でも成城大ルートは,初登の名古屋大ルートから左手に分かれてⅠ峰へ突き上げるルートである.途中,いろいろとアクシデントがありながらも取付きから3時間弱でトップアウトすることができた.
アプローチ:
源次郎尾根を登り,右手のルンゼと同じぐらいの高さになる地点,上部フェースが見え始める地点(休憩にちょうど良い平地)から源次郎尾根を逸れて,はっきりした踏み跡をたどる.ハイマツのブッシュがなかなか大変である.ブッシュをより分けて進むと沢(剱沢からはひし形の左下の斜辺に見える)に出て小滝の手前でフェースの方へⅡ級程度の岩壁を登ると取付きである.
1P:Ⅲ 千村リード
凹角,草に阻まれてホールドなどを探すのが大変でかえって難しかった.
2P:Ⅲ+ 左右田リード
大カンテを右に回り込むとトポにはあるが,そのまま左側を直登してしまった.ここも草付きに阻まれ奮闘的なクライミングに.
3P:Ⅳ 千村リード
快適な凹角フェースでスタンスがしっかりしており登りやすい.足はスメアで.終了点は立派なテラス.松本のクライミングジム・ホリエの5.8ルートと、とっても似ていた。
4P:Ⅴ+ 核心 左右田リード
出だしはフェースでスタンスが豊富にあり,しっかり拾えば問題なし.下部のトラバースまで5M弱ピンが無いためランナウトするが,クライミング自体の難しさはない.ただ,高度感がすごい.リングボルトで一本取り,トラバースに入る.トラバースはホールドに乏しいが壁が見た目より寝ているのと,足場がしっかりしているので怖くはない.クラック(とはいっても巨大なフレークのような溝)の直上はレイバックなどを駆使した.このあたりからホールドは乏しい.クラック内にナチプロ(カム#0.5,#1)とクラックの左側のピトンのラダーの一部を用いて固めに固めた.このことが後後幸いとなった.
クラックが終わると薄いフレークが続く.残置ハーケンで取りつつ,いざ上部のトラバースに移ろうとした瞬間,つかんだフレークが見事に崩壊した.5Mフォール.その間,かけていた残置ハーケンの一本が吹き飛んだ.ロープや岩の摩擦やらで右手の環指と小指がズル剥けになった.
体勢を立て直し何とかこのピッチはトップアウト.終了点はボルトラダーの途中のRCCとリングボルトでのハンギングビレイ,一応近くのハーケンで補強したが先ほどのこともあり,ものすごい怖かった.
5P:Ⅴ 千村リード
最初の一手が怖いがそれを抜けると岩は脆いもののホールドは幾分あり快適なフェース登りである.時折ぐらぐらする岩があった.途中にペツルのハンガーボルトが一本だけあった.
6P:Ⅳ 千村リード
残りのピッチはハイマツの藪漕ぎだったりとあまり気持ちの良いものではなかった.50M一杯出してピッチを切り,もう20Mほど出して源次郎尾根の縦走路に出た.
[メモ]
トポは「日本の岩場(下)」を利用
ギアはヌンチャク×10枚,カム#0.5~#1が1setあれば足りるだろう.
おしまい.