2020/03/28
★日程2020年2月15日(土)
★エリア:北アルプス錫杖岳中央稜
★メンバー:左右田(文責)、千村
★コースタイム:
0540槍見館→0620渡渉→0655クリヤ岩舎→0755中央稜取りつき→1100P1・P2のコル1112→1255グラスリンネ取りつき→1400東尾根上→1550稜線上→1605錫杖岳頂上→1815クリヤ岩舎→1900槍見館
★ ★ ★
錫杖岳中央稜に行ってきました。3ルンゼからのグラスホッパー継続も考えておりましたが、雪が比較的落ち着いており、コンディションもよさそうということで行ってみることに。全体としては、 「P2右岩壁左ルート」→「中央稜」→「グラスリンネ」→「本峰東尾根」 と変化に富んだ面白いルートでした。
取りつきは北沢のすぐ左隣の顕著な凹角から
1P目はベルグラ交じりの雪壁を登る。続く2P目は出だしのトラバースが少々怖いが、ルンゼ内に入ると雪が締まっており、アックスがばち効きで快適そのもの。
3P目はチョックストーンの奥がこおりで埋まりふさがっていたため、終了点右上のベルグラを登り、トラバースして抜けた。意外と立っており、氷が容易にはがれかなり悪かった。終了点は立ち木にとり、さらにもう2ピッチ分ロープを伸ばしてP2に出た。
P1-P2のコルへは歩いて下降した。コルからはP1がそそり立って見えたが、左に巻きが可能である。が、千村が P1にダイレクトに突き上げるラインを見出し 、直登することになった。つまむだけでぐらぐらするピトンとボロボロと崩れるホールド、手掛かりのないのっぺりとした岩とかなり悪かった。
P1を超えるとグラスリンネのある本峰フェースまでの雪稜をひたすらラッセル。膝下ぐらいだったが雪が重かった。
グラスリンネはワンムーブかぶり気味のところがあったが、アックスを打ち込めばサクサク刺さってきまる快適な草付きである。
グラスリンネをロープ2ピッチ分で抜けると終わりかと思っていたが、ここからが大変であった。本峰につながる東尾根は、両側が切れ落ちたやせ尾根で、戸隠の蟻の戸渡を彷彿とさせるような平均台が続く。そのうえ、不安定な雪が尾根上に乗っており除雪しながらじわじわと進んだ。今回のルートの核心はここではなかろうかと思われるほどメチャメチャ怖かった。
本峰の主稜線に出たときはどれほどほっとしたことか。今回、初めて錫杖のピークを拝み北尾根上の適当なコルから懸垂して下った。
アイスあり、岩あり、草付きあり、雪稜ありのなんでもありの内容の濃い好ルートでした。
おしまい