信州大学医学部山岳部のブログ

南ア深南部縦走(黒法師・沢口)

time 2019/11/11

南ア深南部縦走(黒法師・沢口)

☆エリア: 南アルプス深南部

☆日程: 2019年11月2日~4日

メンバー:古矢紘基(19M)

☆コースタイム:

1日目 4:50寸又峡温泉→5:33前黒法師登山口→6:33/6:49廃屋→7:22栗ノ木段→8:49/8:59白ガレの頭→10:06/1022前黒法師岳→11:26林道→11:49/12:02ヘリポート→12:40二ッ山→14:07 1812mと黒法師岳の間のコル→15:10黒法師岳→16:30くらいに黒バラ平でテント設営→19:00就寝

2日目 5:30起床→7:15出発→8:08バラ谷の頭→8:36 1956m小ピーク→9:50/9:55房子山→10:40 1725m小ピーク→11:30/11:44 1572mのコル→12:21鋸山→12:39千石平→14:14/14:23三ッ合山→14:55五樽分岐→15:42蕎麦粒山→16:10山犬段→17:05水汲み終わり→18:30就寝

3日目 4:30起床→5:23出発→5:40八丁段への分岐→(林道経由)→6:10広河原峠→6:37/6:42板取山→7:14天水→7:25ウツナシ峠→7:59横沢ノ頭のコル→8:20沢口山→8:45/8:53富士見平→9:09木馬の段→10:11寸又峡温泉 

☆ ☆ ☆

1年の古矢です。今回、折角の3連休ということで、深南部の方に行ってきました!この地域は前々から行ってみたかった所だったのでこの機会に行けて良かったです。

登山前日。バタバタ準備して松本を出発する。今日は寸又峡温泉まで運転。さすがに長く、途中休憩をはさみながらゆっくりと向かう。寸又峡温泉に着いたら、昔のパチンコ屋(500円)に駐車し、車中泊。

2日(土)。4:50に車を出て、寸又峡温泉を出発する。今回の山行は自分中で結構挑戦的な山行で山行行く前はかなり不安であった。正直、この時点でも不安で温泉だけ入って帰ろうか、とも思ったけど、意を決して出発。前黒法師登山口まで観光のため整備された道であったけど、闇の中、一人で歩くことは怖かった。前黒法師登山口辺りで明るくなり、ようやく気分が落ち着いてきた。登山口付近の登りは、道が崩壊しかかっており、重い荷物を持った自分にとってはつらいものであった。稜線に上がってからは、人があまり入らない森を楽しみつつ進んでいく。前黒法師まではテープもしっかりしており、迷うことはない。前黒法師に着いたとき、一瞬帰ってしまおうかとも思ったが、気を引き締めて進む。なおここから先は笹ヤブが出てくるので、笹ダニ対策でレインなどを着るなら、下だけでもここで着けた方がよい。入山者が減るためか、原初の自然という感覚がさらに増す。エアリアに書いてあるシロヤシオツツジだろうか、今まで見られなかった木もちらほら見られる。途中、ヘリポートを通るが、平らな広い大地。水場もあるし、ここでテントを張るのも気持ちいいかもしれない。その後、二ッ山付近は膝くらいの笹やぶが続く。1812mピークと黒法師岳のコルから先は背丈ほどの笹ヤブが表れる。(この山行中では黒法師岳直下のこのヤブが一番深かったような気がする。)上のレインを着るなら1812mピークで。ただ笹ヤブ自体は、9月に行った魚野川のヤブと異なり、細いので藪漕ぎ自体はつらくない。黒法師直下では、トレースが散在。一番濃い跡というよりも上に登っていく跡に従って登っていくと良い。(実際に一番濃い踏み跡に従ったら尾根からそれてしまった。)漕げないヤブではないので尾根から逸れそうになったらすぐに戻るようにすると良いと思う。黒法師岳では先行パーティと遭遇する。その人達はどうやら山頂で泊るらしい。その人達の邪魔にならないようにそそくさと山頂を去ったためか、あの珍しい×印三角点の写真を取るのをすっかり忘れてしまった。黒法師岳からの下りは急で足場が悪い。笹を掴みつつ、降りていく。途中、黒バラ平で幕営している人と出合う。話を聞くとバラ谷の頭はいっぱいらしく、ここで張ったということらしい。深南部にここまで人が入るのか、と驚愕しつつ自分も黒バラ平で幕営地を探す。結局、色々と歩きまわって、1909mピークの南側に張る。一応、他のテントから離れた場所だったので、自分1人の静かなテント泊を楽しむことができた。予定では翌日寸又峡まで降りようと考えていたが、この時点で翌日に下山することは諦めて、山犬段休憩舎で泊ることに決める。

ヘリポート

4日(日)。今日は山犬段までなので5:30と遅めの起床。そこからゆっくりと準備して7:15に出発。なお、途中朝食を食べている時、死んでいるダニを発見。慌ててテントと自分の荷物を再点検する。ダニ対策はしっかりしていたのになあ。バラ谷の景色は今回の山行の楽しみの一つであったが、ガスっていて展望がなかった。さてバラ谷の頭から本州最南端2000mの地を経て、今回の核心ルートへ向かう。房子山に至る尾根は明瞭なので、その尾根に従って進んでいく。基本的に尾根を外さずに進んでいけばよい。途中、本当に少し下って(10mも下らない)、右の方に乗り換えるところがあるが、それも1860mの小ピークが見えているので問題なし。房子山へは天気が良く、地形図をきちんと確認していれば容易にいくことができた。逆に房子山から下る際、南西方向に下りるのだが、南東の尾根に進んでしまい引き返してしまった。本当に違和感なく進んでしまったので、山頂から下る尾根をしっかり見定めるということは一つの地図読みのポイントなんだな、と感じた。その後、笹ヤブは薄く、森が近くなって、今までと雰囲気が変わった登山を楽しめる。三ッ合山からは一般ルートへ。ほっとしたのもつかの間、ルートは明瞭だが、倒木が多い。それを越すのに結構体力を奪われる。結局、余裕だと思っていたが、日の出ギリギリに山犬段休憩舎に着く。山犬段休憩舎は結構きれいな小屋だったが、水がなく、水場まで林道を1.5km歩かなければならない。(一応、手洗い用の水はあったが…)その日は、関西から来たであろう2人組のパーティと一緒に小屋泊まり。同じルートを通ってきたらしい。

最南2000m行ってきた

5日(月)、最終日。この日は天気が良く、何の心配もなく歩くことができる。まさにウィニングランであった。概して緊張する山行を終えた後の歩きというのは良い。幸せな気分で歩くことができる。特に美しい森であるならなおさらだ。今回も山犬段から沢口山までの森は美しく、幸せな気持ちで歩くことができた。

個人的に気にいったホーキ薙

今回の山行は、人のいない静かな山行という目標は達成できなかったけど、不安を持っていた山行を自力で対処でき、大きな自信に繋がったと思う。また人の少ない深南部の魅力も感じることができた。今度この地域に行く時は、大無間山か沢登りで行きたいなあ。

down

コメントする




総会