信州大学医学部山岳部のブログ

大仙丈ヶ岳 三峰川 岳沢

time 2020/01/24

大仙丈ヶ岳 三峰川 岳沢

★エリア:南アルプス、三峰川、岳沢

★日程:2020年1月11日(土)~1月12日(日)

★メンバー:千村、左右田(文責)

★コースタイム
(1/11)0635大曲駐車場・杉島ゲート→0800発電所→0810林道終点0820→0925営林署跡0940→1115岳沢越→1145岳沢出合1210→1720 F5上のビバークサイト
(1/12)0630ビバークサイト→0935 F9トップアウト→1125大仙丈ヶ岳→1210仙丈ヶ岳→1440松峯小屋1455→1705市ノ瀬・柏木駐車場1730→1840大曲駐車場・杉島ゲート

★  ★  ★

 一月の三連休は大仙丈ヶ岳の岳沢に。文字通りの、山越え、谷超えの山行だった。杉島ゲート手前の大曲駐車場に車を走らせると意外や意外、多くのクライマーでにぎわっていた。5パーティーぐらいはいそうな雰囲気。ささっと準備して出発した。

1/11 杉島ゲート→岳沢F5

 アプローチは杉島ゲートから。 駐車場から発電所までは綺麗な車道を延々と歩く。発電所を過ぎると林道とは名ばかりの荒れた道となるが、南沢沿いに上がればよいので間違える場所はない。南沢から営林所にそれる二俣は見逃すことはないと思うが本流の方が太く直線的なので注意しておくこと。15分ほどで右岸にガレ場が現れるがトラバースし、そのすぐ上の滝(トイ状の滝と呼ばれている)を右岸から巻くと、更に15分ほどで営林所。営林所すぐ上の三俣は、「三俣気味の二俣で、三俣でいう真ん中、二俣でいう右に入る!」と覚えて行けば大丈夫。その後は左岸の小尾根をしばらく歩いたが、沢沿いでも変わらないだろう。氷結した滝が現れたところで右岸尾根に乗り移れば、あとは赤テープが導いてくれる。じきに親切なトラロープも出てきて、それらに沿って行くと岳沢越に導かれる。三峰川の方に下りつつ赤テープを探せばすぐに見つかるだろう。沢床に下りて15分ほど下流に向かうと岳沢出合。渡渉は飛び石で余裕だった。

営林署跡
岳沢越を超え、三峰川の河原を岳沢出合まで進む。
岳沢出合

計画書では今日の目標はF2、F3あたりまで進めることであったが、行けるとこまで行こうという方針でF6手前まで進めることになった。

F1
F2
F3

 この日の技術的な核心F3。取りついた時にはかなりの順番待ちであった。千村リードで、荷物を引き上げた。自分はといえば、スクリューの回収で手間取り、ふくらはぎ、腕がパンプし、挙句の果てにフォールした。情けない、、、

F4

 続くF4もかなり立っていた。混みこみだったので、左端のバーチカルを登る。千村リード。

F5(左端のルンゼあたり)?

 この日はF5を超えたあたりでビバークした。地形的なリスクを考えて、あえて沢筋をよけて、小高い傾斜のあるリッジ上の雪を切り崩して足りない部分は雪を積み上げて整地した。それでも、雪質がフカフカのさらさらでしっかりとした土台はできず、テントの端は陥没。なかでザックを詰めるとちょうど良い感じになった。面積が狭いためペグ打ちができず、寝返りを打つとテントごと滑落する危険があり、今までに一番緊張したビバークとなった。

1/12 岳沢F5→大仙丈岳→地蔵尾根経由で下山

 F6、F7はスイスイと超える。続くF8が本日の核心「ソーメン流しの滝」

F8「ソーメン流しの滝」
F8「ソーメン流しの滝上部」

 F8は最初が寝ておりだんだんと傾斜がきつくなり、最後にはバーチカルとなる。バーチカル手前までは、ほかのパーティーでは50Mロープ1ピッチで通過していたが、ライン上に氷のつぶてやあられがものすごい勢いで降り注いでいたのと、傾斜が急であったのとで弱点を突いて2ピッチで抜けた。2ピッチ目途中でアックスの打ち込みが甘くまたもやフォール。嗚呼、情けない、、、。続く、3ピッチ目の垂直パートは千村がスイスイリードしていった。ここでも荷物の引き上げを行った。

F9

 F9を超えると大仙丈岳に登り上げるだけである。多数の先行パーティーのおかげでトレースがばっちりできていた。

 下山は仙丈ヶ岳経由で地蔵尾根から下山。稜線上は強風で雪が舞い上がって顔に打ち付けるの痛かった。地蔵尾根の下山はこれでもかというほど長く、うんざりさせられた。柏木から杉島ゲートへの車道の歩きもこたえるものがあった。

 今回の山行は本当に疲れた。尾根を越えてのアプローチでかなり消耗してしまったことは否めず、それもあってか2回ほどフォール。技術的にも体力的にも情けなく、千村にかなり助けられた。

おまけ。by Chim

おしまい

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